国際ベンチャーキャピタリスト 奮闘史

新米ベンチャーキャピタリストが投資を通じた新興国の資本市場活性化に奔走するブログ

落第しちゃうよ?2-①

企画部門に異動してから早2ヶ月が経った。基金運営以外の仕事にも徐々に慣れ始めた11月のある日、留学生達の留学先の大学のカウンセラーから突然のメールが届いた。

 

K様

 

平素よりお世話になっております。〇〇大学留学生カウンセラーの〇〇です。

 突然のメールとなり恐縮ですが、貴社から受け入れている留学生のサオジー(仮)さんに関してご相談があります。メールでは何ですのでお手隙の際以下までご連絡いただきますようお願いします。

 03-〇〇〇〇-〇〇〇〇

 〇〇大学

〇〇

 基金運営を行う上でカウンセラーとは留学生の採用で密接にコミュニケーションをとるものの、一旦、授業が始まったらイベントのコラボなどを除いて関わることは少ないと聞いている。メールに具体的な内容を書かない事に嫌な予感を覚えつつ電話をかける。

 「いつもお世話になっております〇〇のKと申します。弊社より貴校に留学させていただいておりますサオジーの件でご連絡させていただきました。」

 「Kさんわざわざご連絡ありがとうございました。実はサオジーさんが一部の授業でついて行けていないようでこのままでは単位の取得は難しいかもしれない事から連絡させて頂きました。」

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サオジー君はM国の投資局から派遣された若手官僚だ。性格は控えめながらも、真面目で採用時の印象も良かったと聞いていた(僕がこの業務に携わる事になった時にはすでに採用は完了していた)。学生とは週一でミーティングを重ねているが、僕も同じ印象だ。

 印象と実体は違うものだなと思いながら、学業は個人の実力と努力次第、単位を落とすならそれまでだと僕は達観していた。私事だが僕もアメリカ留学時代は単位を2科目落としたら即退学、厳しい環境下、死にもの狂いで勉強したものだ。とは言いつつ、上司に自分の思いを伝えつつ判断を仰ぐ。

 「それはかなりまずい事になったね。明後日定例ミーティングあったよね?ミーティング後、彼と個別に面談をしよう」

 何だか面倒な事になったぞ…。僕の危機回避センサーが反応した。

 

 

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