国際ベンチャーキャピタリスト 奮闘史

新米ベンチャーキャピタリストが投資を通じた新興国の資本市場活性化に奔走するブログ

未公開企業投資を成功に近づける情報ツール

2022年がIPOを目指すスタートアップ企業にとって極めて難しい年であることは前回記事(米国中間選挙とベンチャー企業 2-② - 国際ベンチャーキャピタリスト 奮闘史)でも記載した。来年の展望についてもFEDによる政策金利の引き上げ継続が想定される中、当面は難しい状況が続くだろう。直近の金利動向について、11月のFOMC(連邦公開市場委員会)では下記のような報道がなされている。

金利先物市場は、米連邦準備理事会(FEB)が2023年3月までにFF金利を5%超に引き上げ、23年中はほぼその水準を維持するとの予想を織り込んだ。

                              〜中略〜

FRBは1─2日に開いたFOMCで、FF金利の誘導目標を0.75%ポイント引き上げ、3.75─4.00%とした。声明ではこれまでに実施した「金融引き締めの累積効果」を考慮し、今後の利上げ幅がより小規模なものになる可能性を示唆したが、パウエルFRB議長はその後の会見で、利上げの「一時停止を考えるのは非常に時期尚早だ」と発言。

https://jp.reuters.com/article/usa-fed-rates-idJPKBN2RT1KC

このように当面は株式市場を始めとした金融市場においては大きな混乱を想定しないといけない、他方私達の世界は日々進化し続けている事からマクロ経済動向や最新の技術に関するナレッジのアップデートは必要だと考える。今回は、私が活用する情報収集源について共有したい。これら情報源は同僚諸先輩から教えてもらった物であり役立つかもしれない。なお、筆者は国際投資を中心としている事から海外とりわけ東南アジアフォーカスである点について留意頂きたい。

1.Deal Street Asia

https://www.dealstreetasia.com

Deal Street Asiaは東南アジア各国で投資ファンドやスタートアップ企業の動向を追うシンガポール新興メディアである。日々様々なスタートアップ企業の資金調達に関する、ラウンド・調達額・投資家情報やスタートアップ企業の新事業等が配信されるので重宝している。日経新聞では同社の英語記事を和訳・要約して配信しているので、参考にすると良いかもしれない。同社はセミナーやイベントも開催している(有料なので個人にはハードルがあるかもしれないが…)。

2.e-conomy SEA 20XX

https://www.temasek.com.sg/en/news-and-resources/stories/future/e-conomy-sea

続いて紹介するのが、Temasek、Bain&Comoany及びGoogleが共同で発表するe-conomyだ。本レポートは例年11月頃発表されており、東南アジアにおける経済動向、消費者の行動様式(E-コマースの利用状況やインターネット普及率等)をコンパクトに纏めている。Googleの豊富な情報をシンガポールの著名な政府系投資会社のTemasekや米大手コンサルティングファームのBain&Companyは分析しており、信頼度も高い。筆者は投資検討をもこなう際、投資対象企業の市場での成長確度を見極める際(仮説を作る場合)本レポートを参考とする場合がある。

3.Speeda

https://jp.ub-speeda.com
今回最後に紹介するのがSpeedだ。Speedaでは業界分析や企業調査に必要なビジネス情報が整理・格納されており、アナリストや専門家による独自のコンテンツも豊富に揃える。私は海外投資が専門である事から、業界企業分析・調査をもこなう際はS&P社を利用する場合が圧倒的に多いが、得手して分かりにくい分野(特に新しいもの)については同社が提供する無料セミナーで勉強させていただくことが多い。

他、銀行やJETROといった様々な関係者がセミナーやリサーチを発表しているので目的を絞った上でそれぞれ活用すると、専門分野は勿論新しい分野への知見が深まるかもしれない。