国際ベンチャーキャピタリスト 奮闘史

新米ベンチャーキャピタリストが投資を通じた新興国の資本市場活性化に奔走するブログ

金融危機前夜?不安定化する金融市場

冬の寒さが落ち着き、東京の桜の開花も発表された3月13日の週は前の週アメリカ時間で発表されたSilicon Valley Bank(SVB)の事業停止を受けた混乱から幕を開けた。 SVBはシリコンバレー等のスタートアップからの預金や貸出を事業として行っており、2022年末の…

複雑化する国際政治と経済

明けましておめでとうございます。今年も主に国際経済と政治に関して気になった事を記事化して参りますのでよろしくお願いします。 2023年1月4日大発会の日経平均株価は昨年12月31日から一時400円以上値を下げ、最終的には9ヶ月ぶりの安値となる2万5716円86…

未公開企業投資を成功に近づける情報ツール

2022年がIPOを目指すスタートアップ企業にとって極めて難しい年であることは前回記事(米国中間選挙とベンチャー企業 2-② - 国際ベンチャーキャピタリスト 奮闘史)でも記載した。来年の展望についてもFEDによる政策金利の引き上げ継続が想定される中、当面は…

2022年W杯 沸き立つ世界の裏で起こる懸念

日本時間12月2日、日本は強豪スペインを2-1で下し、2022年FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会の決勝トーナメントを1位通過した。日本の決勝トーナメント進出は前回2018年ロシア大会も含めて4回目となった。 日本がグループEで戦った国はスペイン、ドイツ…

米国中間選挙とベンチャー企業 2-②

2022年11月9日に実施された米国の中間選挙の結果が概ね確定した。アメリカの主要メディアは16日、野党共和党が定数435議席の下院で218議席を奪取し7議席を残した上で、4年ぶりの多数派となった事を報じた。一方で、上院については共和党の獲得議席は伸び悩み…

米国中間選挙とベンチャー企業 2-①

11月8日、日本は442年ぶりの皆既月食に沸いていたが、太平洋遥先の米国では民主主義の一大イベント中間選挙が行われた。 中間選挙は、4年に1度行われる大統領選挙の「中間」の年に全米で一斉に行われる、連邦議会の上院と下院の議員選挙及び州知事選挙である…

ついにブラックリスト入りしたミャンマー…

去る10月21日、金融活動作業部会(FATF)がミャンマーをブラックリストに追加すると発表 した。これによりミャンマーは北朝鮮やイランと同格になった事になる。 FATFについては「一層孤立化が進むミャンマー - 国際ベンチャーキャピタリスト 奮闘史」で記載…

一層孤立化が進むミャンマー

ミャンマーは2021年のクーデター以降、軍政権による度重なる国際社会とずれた政策及びマクロ環境の急速な変化に起因して疲弊している。 前回の記事でも紹介した通り、ミャンマーチャットは米ドルなどの基軸通貨に対して大幅に安くなっており、国内経済はイン…

アメリカの金融政策が新興国市場に与える影響

8月25~27日、アメリカではジャクソンホール会議が開催された。同ジャクソンホール会議にてFRBパウエル議長はアメリカ経済とりわけインフレに対する懸念を示し、FRBとして引き続き強い姿勢(つまり今後も金融政策引き締めで望むという事)を示した。 パウエル…

日本に起業家は増えるか?Tokyo Start Up Gatewayに参加しました

昨年4月にベンチャーキャピタリストに転身以来僕は次のユニコーンを見つけるため日々様々な企業に対する投資検討をしている。 検討を行う際、ベンチャー企業の創業者とインタビュー形式でコミュニケーションを取ることが多いが、彼ら彼女らの夢に対する純粋…

実は似ている?地方とミャンマーの人々

筆者は東南アジアのスタートアップ企業向けの投資を行う一方で、日本国内の投資案件も担当しており、定期的に地方に赴く機会がある。地方には案件を共に進めるパートナーがおり、共に切磋琢磨しているが、時々、地方特有と思われる空気感に戸惑うことがある…

諦めずに夢に進む~ストーリーの大切さ~

異動に伴い業務内容は大きく変わったものの、有難い事に、これまで留学生活をサポートしていたミャンマー人留学生とは引き続き交流がある。 皆大なり小なり、コロナやクーデターといった自分自身でコントロールできない要因でキャリアの大幅な軌道修正を余儀…

イノベーションについて

僕は去年の4月に投資部門に転籍したわけだが、異動のモチベーションには企画部門におけるミャンマー資本市場発展のための取り組みや社外勉強会で地域創生のためのイノベーションについて勉強したことが大きい。 イノベーションとは生産技術の革新・新機軸だ…

外国人の日本留学状況について

新型コロナの世界的蔓延に伴い、2020年4月以降、外国人留学生の日本への入国はほぼ停止状態となった。 しかし、政府方針により、2022年3月1日より新規入国制限の緩和措置が実施され、4月1日には1日あたりの入国者上限数が1万人程度まで引き上げることが発表…

日経新聞に掲載されました!!

私が所属している富士山会合ヤングフォーラムの提言「地方活性化、カギは脱炭素と交通インフラ」が本日公開されました! 提言公開に至るまでの苦節2年半、多くの時間を費やしましたが地方活性化を考える皆さん参考になれば幸いです! 詳細は↓↓↓ https://www.…

キャリアチェンジ

ここ一年余りブログを更新していなかったが、これには理由がある。実は去年の3月の異動で、会社の企画部門から子会社の投資会社に転籍していたのだ。 業務内容としては東南アジアの新興国スタートアップ企業への投資と経験のない分野であった事から色々な壁…

日本の国際協力から考えるミャンマー情勢

各種報道でも取り上げられているが、ミャンマーでは、軍による国民の弾圧は日に日に厳しくなっている。4月23日には日本人ジャーナリストがミャンマー国軍に拘束されるなど、軍によるなりふり構わない対応に疑問や不満を覚える方は多いのではないだろうか? …

ミャンマーの現状

2月1日のクーデターから4週間が経とうとしている。ミャンマーでは連日軍に対する抗議デモや労働者によるストライキが敢行されている。 幅広い年齢層で構成されるデモ隊はコロナ禍においても自分たちの国の将来を守るため全力で戦っている。政府職員を始め金…

ミャンマー国軍によるクーデター

2021年2月1日、ミャンマー連邦共和国の首都のネピドーにて最高指導者で国家顧問のアウンサンスーチー女史をはじめウィンミン大統領他、与党National League for Democracy(国民民主連盟:NLD)の議員が多数ミャンマー国軍によって拘束された。 クーデター後、…

アジアのラストフロンティア

闇夜に輝く金色の寺、翡翠や反物が所狭しに並ぶ古びた市場、その隣にある最先端のショッピングモール。昔ながらの暮らしは垣間見れる一方で、力強く成長するM国での一週間が経過した。 「Kさん大分こっちでの生活慣れてきたんじゃないですか?」 僕の後輩で…

人材育成のプロモーション~M国への出張~

「そろそろK君もM国に出張してもらおうかな」 留学生が本国に帰国し、次年度の事業・予算編成も終わった2018年6月のある日出張の話が上がった。 基金の事業は毎年4月に始まり翌年3月に終わる。4月-6月は前述の事業・予算編成を行い、これを理事会に附議する…

金融機関でのキャリアアップモデル

2020年7月19日 大人気ドラマ「半沢直樹」の続編がスタートする。そんな事もあり、今日は金融機関におけるキャリアアップモデルを紹介しよう。 金融機関でのキャリアアップモデルは大きく以下の様に分類される。 なお、この呼び方が一般的なものかどうかは定…

2週間研修~共に成長しよう~

2週間研修が始まって早2週間が経過しようとしていた。最初はおっかなびっくりだった研修生達も徐々に日本の生活に順応していった。例えばコンビニでは普通に買い物もできるし、自分たちでアフターファイブに観光を行うといった感じだ。研修生に人気だったも…

2週間研修~ニシエヒガシヘ~

年が明けた2018年1月、2週間研修の幕が切って落とされた。時間は早朝6時、僕は成田空港のターミナルで研修生たちが出てくるのを今か今かと待っていた。周りには、家族を待つ人、僕と同じように研修事業を行うであろう国際協力機構(JICA)の担当者、面白いネタ…

研修準備~魔の2週間の入り口~

季節は忘年会シーズンに差し掛かった2017年12月中旬、いつも同様に先輩から翌年実施するという研修に関するリマインドがあった。例によってそんな話は引き継ぎ時、一度も聞いたことはなかったが、そんなのもう慣れっこになっていた。 「例年1月末から2月の上…

開発金融~人材育成の重要性~

その国は日本を1.8倍程上回る面積を持ち、豊富な天然資源を有する。人口は6,000万人以上、国民の平均年齢は28歳、識字率は9割を超えるなど勤勉だ。にも関わらず国民一人あたりのGDPは世界でもかなり低い水準に留まる。その理由はこの国が長きにわたり世界か…

個人面談~留学後のキャリアを考えよう~

人生はマラソンだ。ゴールに向かって道なき道をひたすら走っていく。 20代の頃はただがむしゃらに走っていたが、キャリアを重ね、ある程度業務経験を積むとおぼろげながら自分なりの目標・ゴールが見えてくる。企画部門に来て、今年で3年目になる、様々な部…

フィリピンのこと

ASEANの内もっとも日本との距離が近いフィリピンについて紹介しよう。 フィリピンは7,000以上の大小様々な島からなる島嶼国家で、面積は日本の約8割ほどだ。日本人のフィリピンに対するイメージと言えば、マンゴーやバナナなどのフルーツ、パッキャオ等の強…

シンガポールのこと②

2019年の年末から2020年5月現在において世界を震撼させている新型コロナの蔓延では、マスクの支給に然り、給付金の支給に然り、日本政府の対応の遅さが度々批判されている。 その一方で、中国政府の都市封鎖(ロックダウン)、国民の移動監視等一連の措置は…

シンガポールのこと①

ASEANの盟主シンガポールについて触れたい。 シンガポールはマレー半島の最南端に位置する島国であり、国土は東京都23区とほぼ同じ大きさだ。シンガポールは「Central」、「East」、「North East」、「North」、「West」といった5つのエリアで構成されている…