国際ベンチャーキャピタリスト 奮闘史

新米ベンチャーキャピタリストが投資を通じた新興国の資本市場活性化に奔走するブログ

フィリピンのこと

ASEANの内もっとも日本との距離が近いフィリピンについて紹介しよう。

フィリピンは7,000以上の大小様々な島からなる島嶼国家で、面積は日本の約8割ほどだ。日本人のフィリピンに対するイメージと言えば、マンゴーやバナナなどのフルーツ、パッキャオ等の強豪ボクサーの輩出国(一部かも知れないが…)、そして南国特有の美しいビーチだろうか。特フィリピン中部に位置するセブ島には美しいビーチを求めて世界中の観光客が集まり、近年では、日本人が英語を学ぶ際の留学先として高い人気を誇る。

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フィリピンの人口はASEANの中でインドネシアに次ぐ第2位の1億98万人だ(2015年国勢調査ベース)。同国の民族構成は、大部分がマレー系、他に中国系やスペイン系及びこれらとの混血並びに少数民族がいる。

民族構成にスペインが含まれているのは同国が16世紀から19世紀にかけスペインに統治されていたことに由来する。大航海時代ポルトガル人の航海者兼探検家のフェルディナンド・マゼランはスペインの艦隊を率いて世界周航を行う際、途中で立ち寄った島国が現在のフィリピンだったのだ(ちなみにマゼランは1521年4月フィリピンのマクタン島で死没したとされている)。スペイン統治時代以降、フィリピンはアメリカや日本に統治されるなどを経て1946年7月4日に独立した。

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宗教についてはASEAN唯一のキリスト教国であり、国民の80%以上がカトリック、その他キリスト教信者が10%、また、イスラム教徒も5%の信者がいる(2017年、フィリピン国軍がISELに呼応したテロ組織の掃討作戦を実施したミンダナオ島での信者は2割以上)。

フィリピンで使われる言語については国語は話者数が最多かつ首都マニラで使われていたタガログ語を基に作られたフィリピノ語、公用語はフィリピノ語並びに英語だ。

経済面ではフィリピンの一人当たりGDPIMFによると2018年時点で3,100米ドル。いわゆる下位中所得国に分類される。経済発展が思うように進まなかった背景は、独立以降、同国の政情が不安定だった事、治安が悪かった事、そしてこれらに起因してインフラが圧倒的に不足しており、他のASEAN諸国が行なったような外国企業を誘致することによる工業化(一次産業の発展)、それに続く二次、三次産業の発展という成長モデルを築くことが出来なかった事に由来する。一方で、フィリピンは高い英語力、勤勉な国民性、低い人件費を武器に先進国企業からサービス業務の一部を業務委託と言う形で引き受け経済の要にしており、フィリピン国家統計局によると全就業人口の58%が従事している(2019年1月)。また、フィリピン国民は英語を武器に海外で就労する労働者も非常に多く、彼ら彼女らによる、国内の家族宛て送金額は世界銀行の発表では2019年で約350億米ドルとASEANでは首位、世界では第4位(ちなみに、第1位インド約822億米ドル、第2位中国約702億米ドル、第3位メキシコ386億米ドル)、2019年のフィリピンGDPは約3,571億米ドルであることを見ても海外で活躍するフィリピン人が同国経済を支えていることが良くわかると思う。

補足:コスト削減や業務効率化等の観点から、コールセンター業務、ソフトウェア開発、情報管理や法務事務等の業務を先進国企業等が外部委託する事をビジネス・プロセス・アウトソーシングという。

個人にも通ずることはあるが自分の強みを最大活かすことはこれからの社会においてより重要になることは間違いない。

 

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