異動に伴い業務内容は大きく変わったものの、有難い事に、これまで留学生活をサポートしていたミャンマー人留学生とは引き続き交流がある。
皆大なり小なり、コロナやクーデターといった自分自身でコントロールできない要因でキャリアの大幅な軌道修正を余儀なくされたが、挫けず頑張る子も多く励まされる。ある子(W君とする)はコロナ禍の移動制限に伴うリモートワークを逆手に取って、業務終了後大学院の授業をオンラインで受講している。
スタートアップ投資にも共通するが、“成長しそうな子”と“まあまあ”な子にはストーリー性に大きな違いがあるように思える。成長しそうな子は、軸が固まっており、最終的なゴールを定めた上で年代別のキャリアやスキルアップを定義し、タスク化した上で日々の生活に落とし込んでいる子が多い。
前述で紹介したW君は、コロナが世界的に流行する2020年の留学を検討していたが、物理的な留学からオンラインに移行し、外部要因や制約にも柔軟に対応しているというわけだ。本人曰く、ネットワークの制限などには苦労しているものの、家族のケアを行える事、休職せず学業を追求できる状況に満足しているという。彼は最終的には経営者になりたいと留学生時点で語っていたがそれは今も変わっていないとの事だ。
投資会社では、カルチャーとして、投資から一定の期間を経た時やEXIT後において案件の評価を行い、案件のモニタリングやバリューアップや新規の投資案件に活かすようにしている。
EXIT=ゴール地点からみるとスタートアップ企業が成功(IPOやトレードセール等)するか、あるいは失敗(清算等)するかは経営者や会社のストーリー性にも大きく左右されると感じる。スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業スピーチでも語っているが、成功や失敗を構成する要因「点」は現時点では分からず後々振り返ってようやく「線」に繋げる事が出来る。
スタートアップ投資を成功させるためあるいは失敗に陥りつつある案件を少しでもより良くするため、迷える経営者に的確に助言を行い、EXIT後から見た「線」が極力、当初思い描いていた物になっているかサポートをしたいと思う。