国際ベンチャーキャピタリスト 奮闘史

新米ベンチャーキャピタリストが投資を通じた新興国の資本市場活性化に奔走するブログ

金融機関でのキャリアアップモデル

2020年7月19日 大人気ドラマ「半沢直樹」の続編がスタートする。そんな事もあり、今日は金融機関におけるキャリアアップモデルを紹介しよう。

金融機関でのキャリアアップモデルは大きく以下の様に分類される。 なお、この呼び方が一般的なものかどうかは定かではない。

1.プロフェッショナル型

2.ジェネラリスト型

3.エキゾチック型

 プロフェッショナル型は一つの分野で着実にスキルを身につけ、その分野でキャリアを築くスタイル。僕の会社ではM&A、引受等を行う投資銀行部門やエクイティ、債券のトレーディングを行うマーケット部門でこのようなキャリア構築をする社員が多い。

 次のジェネラリスト型は言葉のとおり、特定の分野に偏らず会社の様々な部門でキャリアを構築するスタイルを指す。例えばスーパー営業マンだった人が企画部門に異動し、その後、投資銀行やマーケット部門に配属されるような感じだ。このようなモデルでキャリアアップする人は大体3年周期で新しい部署に異動する人が多い。

最後のエキゾチック型は1、2のいずれにも該当しないスタイルだ。例えば社内の重要プロジェクトのためマネジメントが様々な分野の人材を直接引き抜く成功モデルもあれば、半沢直樹のように上司に盾付き、懲罰的に関連会社への異動を強いられるケースもある(なお、銀行の本社は無条件に良く、子会社への異動はキャリアの汚点と位置付ける半沢直樹はそこで働く人に失礼であり前時代的だと筆者は考える)。そう、このモデルのキャリア形成は不確実性が多く「ここで頑張れば次は〇〇部の部長になれる」と言ったような見立てを行うのが難しいのだ。

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それでは筆者がどのモデルでキャリアを構築しているかだが、2と3のハイブリッド型だと言える。僕はリーマンショックの起こった2008年、某金融機関の法人部門の子会社に新卒入社した。最初の配属先はミドルバック部門という所謂コーポレート部門だった。ミドルバック部門でプロフェッショナル型のキャリア構築することを想像していた2年目の春の異動で本社の異動を命ぜられ、そのまま本社のニューヨーク現地法人に異動することとなった。異動の背景は当時会社が一丸となって取り組んでいたグローバルプロジェクトを進める上で英語の人材が必要だったからだと聞いている。英語以外取り立てて人に自慢できるスキルがない当時2年目の僕を競争率の高いニューヨーク現地法人に送りだしてくれた当時の上司に感謝したい。その後2011年の秋僕は東京に戻り、再びミドルバック部門で6年間キャリアを重ねた。以降の顛末はこのブログで綴っている通りである。 

巨大投資銀行(上)

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